4F-PCC(ケイセントラ)の使い方

ワルファリン投与中の患者における出血傾向の抑制に対して、

4F-PCCとして2017年3月に承認され、9月に発売開始となったケイセントラについてのメモ。

ケイセントラ 販売元:CLSベーリング株式会社

適応症

ビタミンK拮抗薬投与中の患者における、急性重篤出血時、又は重大な出血が予想される緊急を要する手術・処置の施行時の出血傾向の抑制

DOAC使用者にはだめなんやね。

製剤

ケイセントラ静注用500  500単位/20ml

ケイセントラ静注用1000 1000単位/40ml

内容物

人プロトロンビン複合体(主成分)、アンチトロンビンⅢ、人血清アルブミン、ヘパリン、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、塩酸、水酸化ナトリウム(添加物)

使い方

【必要量】

BW≦100kg

PT INR 2~<4  25 IU/kg

PT INR 4~<6  35 IU/kg

PT INR >6       50 IU/kg

BW > 100 kg ・・・体重 100kgで計算する。

PT INR 2~<4  2500 IU

PT INR 4~<6  3500 IU

PT INR >6       5000 IU

【投与速度】

3 IU/kg/分以下とし、210 IU/分(12600 IU/時間)を超えないこと。

実際の使い方

BW 60 kg の人が脳出血で来た。PT INR 3.0やわ。

60kg * 25 IU/kg = 1500 IU 投与

500単位*3V or 500単位 1V+1000単位 1V

500単位あたり20mlの溶解液がついてるから、合計 60ml

3 IU/kg/分 = 180 IU/分 (<210 IU/分)以下の速度で投与せなあかん

1500IU / 180IU/分 = 8.33分

約10分かけて投与(150 IU/分)すればOK。60mlをシリンジポンプに繋いで投与。

30分後に血液検査でPT INR チェックする。

INR 1.5 以下目標。手術するなら INR 1.35以下がいい(脳卒中ガイドラインでは、VitK拮抗薬内服中の出血では、速やかに1.35以下へ下げると記載)。

PT INR <2.0が来たらどうするの??

決まりはないみたい。当院では INR 1.6以上2.0未満がきたら、一律で1000単位投与することに決めた。これは今後の動向に注目。

この前PT INR 5くらいの人が来て、35*60 kg *20 = 2100単位/84ml 必要だったことがありました。84 mlって普通のシリンジポンプに繋がらないじゃないですか。結局手押ししました。手押しかシリンジポンプ繋ぎ変えかしかないんですかね。なんかうまい方法ありませんかね。輸液バックに薬液注入して投与という方法もあるみたいですが、他の薬剤と一緒に投与はだめなので、無菌の未使用バックが必要。そんなの見たこと無いけど薬剤部にあるんかね。

最後にお値段

ケイセントラ静注用500  35004円/瓶

ケイセントラ静注用1000    65225円/瓶

ほぇ~~ 1000単位がお買い得ね・・・。

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