抗血小板薬の作用機序

明けましておめでとうございます(遅)

世の中は節分ですね。

カフェでコーヒー豆のろ過汁をすすって意識高い系のマネをしています。

なんとなくわかっていたフリをしてちゃんと覚えていなかった

抗血小板薬の作用機序(作用ポイント?)についてメモ。

最終的にはCa2+濃度が上昇することにより、GPⅡb/Ⅲaが活性化し、血小板凝集が起きる。

Ca2+濃度を上昇させるTXA2を阻害するか、Ca2+濃度を低下させるcAMPを増やすかして、抗血小板作用をもたらすのが抗血小板薬。

①TXA2阻害 = アラキドン酸カスケード阻害系(アスピリン、オザグレル、EPA)

 アラキドン酸カスケードで、血小板膜にあるリン脂質が、ホスホリパーゼA、COX(シクロオキシゲナーゼ)、TX合成酵素などの酵素によりTXA2(トロンボキサンA2)に代謝される。TXA2はCa2+を上昇させ、血小板凝集能が高まる。アスピリンはCOXを、オザグレルはTX合成酵素を阻害することで、TXA2への代謝を阻害し、抗血小板作用を呈する。また、EPA製剤(エパデール等)は、リン脂質二重膜にあるEPAの濃度を上昇させる。EPAは、リン脂質をアラキドン酸カスケード側から、TXA3合成側へ競合阻害することで、TXA3(血小板凝集に寄与しない)を代わりにいっぱい作り、 TXA2の濃度を低下させ、抗血小板作用を呈する。

②cAMP促進 (チクロピジン、クロピドグレル、プラスグレル、シロスタゾール)

アデニル酸シクラーゼがATPからcAMPへの代謝を促進する。cAMPは、Ca2+に抑制的に働く。ADP受容体はアデニル酸シクラーゼの作用を抑制し、血小板凝集に働く。チクロピジン、クロピドグレル、プラスグレル(=3つまとめてチエノピリジン系)は、このADP受容体を不可逆的に阻害することで、抗血小板作用を呈する。また、ホスホジエステラーゼは、cAMPを5’AMPに代謝することで、cAMPの濃度を低下させ、血小板凝集に働く。シロスタゾールは、このホスホジエステラーゼを阻害することで、抗血小板作用を呈する。

これらの経路において、①ではEPA→アスピリンという上流、下流、②ではチエノピリジン系→シロスタゾールという上流、下流の関係にある。

海外ではGPⅡb/Ⅲa阻害薬というタイプの抗血小板薬もあるそうだが、日本で認可されていないのは、強すぎるからなのかな?血小板減少の副作用もあるみたい。

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