ワーファリンほどなんも考えなくて投与可能なDOAC
ですがやはり薬との相互作用は知っておかないといけません。
心原性脳塞栓症は皮質を含む大梗塞となりやすく、その後の症候性てんかんも起こしやすいので、結果として抗てんかん薬とDOACは併用されやすいのではないかと考えられます。
以下に抗てんかん薬と抗凝固薬の相互作用を示します。
橋本洋一郎 高齢者における心原性脳塞栓症予防のための経ロ抗凝固薬の処方 より引用
これをみると、フェノバルビタール、フェニトイン、カルバマゼピン、バルプロ酸といった古くから使用されている抗てんかん薬で、抗凝固療法との相互作用が問題となりそうです。
逆に、最近よく使用されるレベチラセタム(イーケプラ)、ラモトリギン(ラミクタール)はあまり相互作用がないようで、より脳梗塞後の症候性てんかんに対しては、これら2剤が積極的に使用されるのではないかと考えられます。
また、DOAC間での差異もあり、エドキサバン(リクシアナ)は抗てんかん薬による影響を受けにくく、てんかんが問題となる症例にはエドキサバンの選択も考慮できるのではないでしょうか。
以上、簡単にまとめてみました。