Magnetic Resonance Imaging-Guided Thrombolysis (0.6 mg/kg) Was Beneficial for Unknown Onset Stroke Above a Certain Core Size: THAWS RCT Substudy
Toyoda, K., et al. (2021). Stroke 52(1): 12-19.
THAWS studyのサブ解析の論文。THAWSでは、DWI-FLAIRミスマッチを用いて、68人にrt-PA投与、58人にstandard medicationを行った。90日後のmRS 0-1の予後良好軍は、47.1% vs 48.3%と差はなく、出血に関しては26% vs 14%(22-36時間後)と同程度であった。今回サブ解析によってASPECTS 5-8 と 9-10に二分したところ、ASPECTS 5-8においてアルテプラーゼ投与群が予後が良かった。また、コアボリュームで2分したところ、コアボリューム≧6.4mlでは、アルテプラーゼ投与群で予後が良かった。出血性合併症に関してはどの2分法でもアルテプラーゼと標準治療で差はなかった。DWI-ASPECTS 5-8に関しては、アルテプラーゼ投与が有用であると考えられた。
ということで、今ではWAKE UP studyによって投与可能となったDWI-FLAIRミスマッチを用いた発症時期不明の脳梗塞に対するt-PAですが、THAWS studyで有効性に有意差は出なかったものの、そのサブ解析を行ったところ初回のMRIでのASPECTSが低い or 虚血コアボリュームが大きい( = 重症) 群においてはt-PAによって90日後の予後良好に寄与するというものです。逆に言うと軽症群が多く入ってくると、軽症例はt-PA投与しようがしまいがあまり予後に関わらなかったから、t-PAの優位性を示せなかったのじゃないかということですね。
ただやっぱりsafety outcomeで有意差はないもののany hemorrhageがt-PA投与群で増えているのが気になります。
実臨床ではDWI ASPECTS 6点以上であればミスマッチあればt-PAどんどん打つような流れじゃないでしょうかどうでしょうかね。