研究の型

神経治療学会ニュースレター 国立精神・神経医療センター 中村治雅先生の記事

観察研究 observational study 介入を行わず日常診療のみで調べていく

 記述的研究 descriptive study

  症例報告 case report

  症例シリーズ case series

 分析的観察研究 analytic observational study

  横断研究 cross-sectional study

  縦断研究 longitudinal study

   症例対照研究 case control study

   コホート研究 cohort study

 介入研究 interventional study 何らかの介入を行う

  ランダム化比較試験 randomized controlled study

  非ランダム化比較試験 non-randomized controlled study

  クロスオーバー試験 cross-over study

2023/4/25追記 神経治療学会ニュースレター 2023年1号のupdate

第4回 観察研究の「型」

特に、コホート研究(cohort study)とケース・コントルール研究(case control study)

中村 治雅先生

観察研究 比較対象(PECOのC)を置くかどうか?

 ・比較対象 なし → 記述的研究 (症例報告や症例シリーズなど)

 ・比較対象 あり → 分析的観察研究

  ↓→さらに要因(E)とその結果起こるアウトカム(O)を測定する時期で分かれる

  ・要因(E)とアウトカム(O)を同時に測定する→ 横断研究(cross sectional study)

  ・要因(E)とアウトカム(O)を時間軸の別時点で測定→縦断研究 (cohort study やcase control study)

  横断研究はEとOの時間関係(どちらが先か)は不明で、実際の因果関係は不明

  縦断研究はEとOの因果関係がわかる

Cohort study E → O

 ある時点である集団(cohort)を集めて、Eを測定し、その後起こるOを時間に沿って観察する

 リスク・発生率がわかる。

Case control study O → E

 Oが起こってしまった人(case)とそうでない人(Control)を調べ、それぞれのEを測定する

 Oの全体での発生率などはわからない。

コホート研究ケース・コントロール研究
対象集団を明確に決められるケースとコントロールの集団背景が、Oが起こる前に同じである保証がない
アウトカム稀なアウトカムの設定は難しい 複数の設定可能稀なアウトカムを知るには良い
要因の設定稀な要因でも可能稀な要因の研究に向かない
リスク・発生率計算できる計算できない
長所・短所研究期間が長い 費用がかかることが多い研究機関が割りと短い 集める症例は少ない

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