脳梗塞による開眼失行は右大脳病変が多い

After stroke, apraxia of eyelid opening is associated with high mortality and right hemispheric infarction

J Neurol Sci 2020; 15

method

 前向き単施設。期間9ヶ月

 前方循環のlarge vessel occlusionで、EVTを施行する患者。

意識障害があり、眼球運動が評価できない患者や48時間以上鎮静を必要とする患者は除外。眼科疾患のある患者や後方循環系のEVT患者は除外。

開眼失行(Aproxia of Eyelid Opening:AEO)の定義

 開眼指示に従えない

 眼輪筋の収縮を欠く

 開眼指示の間前頭筋の著しい収縮を認める

 眼筋障害、顔面の交感神経障害徴候(ホルネル徴候)を欠く

結果

 2019年2月~11月にEVT施行された178人がスクリーニングされた

うち98人がinclusion criteriaに合致。

平均年齢 70.4歳、47%が女性。24時間後のNIHSS中央値は7、3ヶ月後のmRSの中央値は2。

AEOは6人(6%)

水平共同注視運動麻痺 37人(38%)

皮質性眼瞼下垂 16人(16%)

AEOのある患者はない患者と比べてNIHSSの中央値が高く(18.5 vs 7)、3ヶ月後のmRSは悪かった。3ヶ月後の死亡も多かった。AEOは右大脳病変に多く、6例すべて右大脳病変であった。右大脳病変は全体の44%にも関わらず。梗塞巣はAEOの5/6の患者で島皮質を含んでおり、次に多かったのは前頭葉と頭頂葉、基底核であった。注視麻痺は右VS左大脳病変では右に多かった(65% vs 35%)。

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