間違いやすい正常脳波 Vetex sharp wave

脳卒中屋さんとしては神経内科領域に弱いことがコンプレックスです。

特に脳波は超苦手です。

でも脳波判読の機会も多いので読めるようになりたいです。

他院神経内科医から教えてもらった間違いやすい正常脳波

Vertex sharp wave 頭蓋頂鋭波

軽睡眠初期(睡眠Stage 1)に頭蓋頂部に出現する(C3,C4,P3,P4とかに強い)

陰性相で振幅の大きい(上向きの)

しばしば100~200μVに達する(上向きが大きい・・・異常波と見誤りやすい)

2あるいは3相性の(∧v とかvvとか)

の波

一般的に瘤波 hump、もしくは頭頂部瘤波 biparietal humpと呼ばれている。

だからこの波がみられる軽睡眠初期は瘤波相 hump phaseとも呼ばれる。

【特徴】

周波数がθ帯域(4-8Hz未満)~δ帯域(0.5-4Hz未満)の徐波帯域にある(波が横に広い)

波の前後(とくに後ろ)に陽性の切れ込みを伴うことが多い(下向きのノッチがある)

睡眠では、α律動が消えて平坦化した脳波になったあとにVertex sharp waveが出現し、その後深い眠りの脳波(最初は紡錘波 spindle、ぎざぎざの波が振幅が漸増、漸減する<>こんな形の波、続いて徐波となる)が続いてくる。

通常両側性で、左右の振幅はほぼおなじ大きさである。

けど!小児(特に乳幼児)では左右差が目立ったり、尖ってたりして、鋭波に見え、てんかん性異常波として捉えてしまうことが多い。

引用、参考

ポケット臨床脳波

https://www.amazon.co.jp/%E3%83%9D%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88%E8%87%A8%E5%BA%8A%E8%84%B3%E6%B3%A2-%E7%A6%8F%E6%B2%A2-%E7%AD%89/dp/4784951636/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1511501121&sr=8-1&keywords=%E3%83%9D%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88%E8%87%A8%E5%BA%8A%E8%84%B3%E6%B3%A2

脳波の手習いシリーズ

http://naraamt.or.jp/Academic/kensyuukai/2005/kirei/nouha_ayamariyasui/nouha__ayamariyasui.html

上の手習いシリーズのサイトよりもポケット臨床脳波 P40の図の方がわかりやすい。

私の症例は16歳男児でした。

小児っていったい何歳まで!?まぁスペクトラムなので何歳からはみられないとかそんな明確な基準はないんやろうけど。脳波むずい。何を信じていいのやら。

小児は異常脳波が出ても異常じゃないって言われているような気がする・・・そんなことはないんだけど、大人でもむずいのに小児なんてもうわけわからんですな。

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