皆さんもうご存知だと思いますが
ESUS(Embolic stroke undetermined source)に対する抗凝固VS抗血小板薬の結果が出ましたね。今年。
上記が結果です。
リバーロキサバン VS アスピリンのNAVIGATE ESUS、
ダビガトラン VS アスピリンのRE-SPECT ESUSともに
DOACのアスピリンに対する優位性を示せませんでした。
特にリバーロキサバンではアスピリンよりも出血が多いという結果でした・・・。
残念!
この解釈はいろいろと考えないといけないのですが、一番言われているのが、
患者セレクトがまずかったんじゃないかということですね。
ESUSの参加基準は基本的には非ラクナ、非アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症の原因となる心疾患がない、ということで、動脈硬化性脳梗塞が多く含まれていたんじゃないかってことです。
一番わかりやすいのがBAD(Branch atheromatous disease)なんですよね。
BADの診断がそもそもESUSっぽくて、穿通枝梗塞で、ラクナより大きくて、主幹動脈狭窄病変がなくて、心原性脳塞栓症の心疾患を有するものがない、ってことなんですけど、ESUSの診断基準と似ていますよね。ESUSの診断基準で、かつ穿通枝ならBADって感じですかね。
他には50%未満の狭窄病変とか、狭窄率は低くても潰瘍形成のあるものとか、あとは大動脈原性脳梗塞とかですね。
こういったものはESUSの診断を満たしちゃうんですよね。
自分も、ESUSの治験参加させる時に、「え、これどう考えてもBADじゃん」って症例も実際ありました・・・。
もっと厳密にESUSの基準を決めた方がいいと思うんですよね
「皮質枝病変で塞栓源がないもの」とか、「皮質枝・穿通枝を問わないが病変が複数あるもの」とかね。
そしたらDOACがアスピリンに勝っていたかもしれません。
とりあえず今回わかったのは、現在のESUSの基準で分けた場合は、アスピリンとDOACは特に優劣はないということです。
今後のさらなるStudyに期待。
なんにせよ塞栓源をしつこく検索していくことが大事なのです。